『あのねちょう』
皆さん、こんにちは。DJ先生こと、ブーマーです。
四月から引き続き養護学校の臨時講師の話が決まり、久々に気持ち良く桜の季節を迎えることができました。いやいや、春って気持ち良いですね!しかし、先生と受験生の二足の草鞋を履く僕には浮かれている暇などありません。採用試験が三ヵ月後にまで迫ってきているのです。勉強勉強!…っといきたいのですが、LPという誘惑が邪魔して思うようにはかどりません。取りあえずは「自分自身に勝つ」を胸に頑張ろうと思う今日この頃。皆さんはどのような春をお過ごしですか?
春、と言えば入学式の季節でもあります。ピカピカの服を着て親と共にやってくる入学生。初々しいですね。食べちゃいたいくらいです。新しい世界に飛び込むと言うことは、いくつになっても楽しみでありますが不安でもあります。それを何度も経験してきた僕たちですら不安に思うのですから、社会経験の浅い小学生からすればその不安は相当大きいことと思います。その不安で一杯の小学生をいち早く学校生活に慣らせるべく、小学校低学年の先生は様々な方法をとっています。その中で最も有名な方法が、ご存じ「あのねちょう」です。懐かしいと思われた方も多いことでしょう。
とはいうものの、「あのねちょう」は学校生活に慣らせる為だけに存在しているわけではありません。子供が感じた素直な事柄をそのまま表現させ、それを「せんせいあのね、・・・」と、先生と対話する形で文章にさせる。言い換えば、児童と先生とのやりとりの中で思考力を図る、という子供の発達に応じた素晴らしい学習方法なのです。結構奥が深いモノだったんですね。
「あのねちょう」は1978年に神戸で誕生しました。生みの親は当時神戸市立の小学校に勤めていた鹿島和夫先生(通称“ダックス先生”)。前述したとおり非常に画期的であったため、瞬く間に全国へと広がっていきました。
ダックス先生のクラスの「あのねちょう」の中から面白いものがありましたので少し抜粋してみましょう。
「Kくん」 Y.N.
私が「Kくんだいすきい」っと
かんじをだしていったら
おかあさんは「まけそうー」といって
ひっくりかえりました
それにしてもどうしてKくんは
あんなにきれいなかおをしているんだろう
Kくんのかおをみているとちからがぬけて
からだがふにゃふにゃになります
かみさま
どうかおしえてください
(「1ねん1くみせんせいあのね」 編・鹿島和夫)
小学1年生の女の子が淡い恋心を書き綴った文章。可愛らしいですね。思わず笑顔になってしまいます。でもこんな文章もありました。阪神淡路大震災直後に書かれた「あのねちょう」です。
「お母さんのうでの中で」
じしんでものがわれる音が して目がさめたら、お母さん のうでの中でつつまれていた。
お父さんはタンスのしたじきに なっていた、
おねえちゃんは なにもなかったので、あわて てタンスをのけてお父さんを たすけた。
こわかったので、わたしと おねえちゃんは、おしいれの 中に入ってたけど、
ふるえが とまらなかった。
家の中にいたら、あぶない ので、あわてて外にひなんしたよ。
外にでたら、お父さん のかおがおばけになっていた。
「もくとう」
もくとうをしました。
もくとうは死んだ人を安らかに天国でねむってくださいとおがむことです。
さいしょなんておがんでいいかわかりませんでした。
でも 1分もあったから思い出しておがむことができました。
はるなちゃんのおかあさんと
おとうさんとはるなちゃんと あやかちゃんをみまもって あげてくださいといのりました。
「大地震になんかまけへん」 編・鹿島和夫)
子供の視点から見た震災。小学1年生だからこそできる素直で純粋な表現により、大人が表現する文章にはできない何かが胸を刺激します。
そういえば僕も「あのねちょう」を書いていました。一生懸命書いていった文章に対しての先生のコメントが“わかりました。”の一文のみで妙に寂しくなったことを覚えています。それ以降適当に書くようになっていったんじゃなかったかなぁ、、、と思います。子供の素直で純粋な表現を“生かす”も“殺す”も大人次第だと思います。僕はダックス先生みたいな子供を“生かす”先生になりたいなぁ、と思います。その為にも3ヶ月後の試験に合格しなければ!よし、意欲が沸いてきた!LPの誘惑と格闘しながら勉強頑張ります!
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