タナカリョウの穴あきブック
「実写化スパイラル」
早いもので12月。今年も皆様お世話になりました。ショーウインドウはクリスマス一色、週末のオシャレ居酒屋は駆け込みコンパで大賑わい。このコントラストが都市の背、もとい年の瀬を感じさせてくれる今日この頃ですが、皆様、どっちかっていえば、バレーは女子派ですよね!
そんなこんなで今年の漫画界を振り返ってみると、いろいろと話題を集めた作品が多かった気がしますね。キーワードは昨年のNANAから続く「実写化」。やたらとお茶の間レベルで騒がれた気がします。最近では「のだめカンタービレ」のドラマ化やアジアで大フィーバーの「デスノート」などが記憶に新しいですね。
この手法そのものは非常にクラシックなもので、ヒット作で実写化していないものはナイというほど。ヤンキー&極道系の作品では、ほぼ100%かもしれません。原作のヒットという土壌があるゆえ企画書も書きやすく、商品化などのマーケティングセールスもしやすいんでしょうかね。作者によっては頑なに拒否する方もいらっしゃるようですが、今や「ドラゴンボール」すら実写化されていると考えると、この手法に不可能はない気がします。それがおもしろいかはまた別の話なんですけどね。
というわけで今回は、2007年に実写化される漫画をご紹介。劇場へ足を運ぶ前に、まずは本家を楽しんでください。ラララライ!

「蟲師」 作・漆原由紀 続刊中 講談社アフタヌーン
本コラムでも一度ご紹介致しましたが、21世紀が誇る和ファンタジーになると確信している本作。各地を騒がせる“蟲”による不可解な現象を蟲師ギンコが解決!という短絡的ストーリーに留まらず、そこにちょっとした民俗学的見解と人情的ストーリーを織り交ぜた構成力は圧巻の一言。水彩っぽい独特のタッチもたまりません。

原作はもちろんアニメも大ヒットし、黄金ルートで製作された映画は2007年3月公開予定。ベネチア国際映画祭にも出品されています。監督はなんと大友克洋! 「ワールド・アパートメント・ホラー」以来15年の実写版を手がけます。主役のギンコを務めるのはオダギリジョー。劇場では3Dビューアーを販売し、それを付けるとCG映像が飛び出してくるそうです。まさに「どーすんの!」な話題作ですな。

「フリージア」 作・松本次郎 続刊中 小学館IKKI
舞台は近未来の日本。犯罪被害者が加害者に対して「仇討ち」を行うことが合法化。被害者から依頼を受けた“執行代理人”と、加害者をその手から守る“警護人”によるクールすぎる戦いを描いた作品です。主人公は、まったく感情を出さずに銃の引き金を引く執行人・叶ヒロシ。他人の意識から身を隠すことが出来るという特殊能力を持ち、現実と幻想がクロスオーバー。時折ワケが分からなくなるほどブッ飛んだストーリー展開には脱帽。独特の生臭い空気には、いつの間にか引き込まれてしまう魔力がありますな。

実写版は2007年1月公開予定。主演の玉山鉄二はハマリ役鉄板。監督は「鬼畜大宴会」の熊切和嘉!「青春☆金属バット」も記憶に新しい銀幕の鬼才が挑みます。原作の空気感をどこまで再現するのか、はたまたぶっ壊してしまうのか。いずれにせよ注目の作品です。

「ゲゲゲの鬼太郎」 作・水木しげる
もはや本人が妖怪という噂が絶えない水木大先生の代名詞。説明は今さら不要な国民的作品ですね。貸本時代に登場して以降、早40年が経ちますが、漫画よりもアニメでその息を長くしたタイプです。

この作品が2007年のGWに松竹から映画化。主演を務めるのはそう、泣くブスも濡れるウエンツ瑛二。ネズミ男=大泉洋、砂かけババア=室井滋、子泣きジジイ=間寛平、ネコ娘=田中麗奈という、なんだかコメントをしづらい面々がそろいました。一反もめんやヌリカベはどうするんでしょうかねぇ。目玉のオヤジはCG?どうせ小池徹平が友情出演するんやろ?などなど注目点が多々ありますが、せいぜい香取慎吾の「ハットリ君」どまりでしょうね。
ついでに記しておきますと、実写化ではないですが松本大洋の名作「鉄コン筋クリート」も12月下旬にアニメ化されますね。コチラはマイケル・アリアスというCG界の革命児が監督とあって、その映像美にも注目です。製作がSTUDIO 4℃なので期待は大。クロの声を務める二宮和也がスベってないことを願うばかりです。
音楽でもそうですが、元ネタがイイとカバーにも期待してしまいますね!ファンは作品の連鎖が楽しめ、知らなかった人にも門戸が開く。このスパイラルそのものは素晴らしいですな。もちろんスベった実写版も数々あるワケですが、映像化作品の場合、その角度は相当なモノなんですね。愛すべき駄作は後にファンの間で伝説となる、これもまた良し!「鬼太郎」も含めてそのへんの話は、私が個人的に大ファンの「a Black Leaf」というブログで紹介されています。大爆笑必至につき、こちらもぜひチェックしてくださいね。
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