タナカリョウの穴あきブック
「ボクシング」
8月です。
長かった今年の梅雨もようやく開け、いよいよ夏本番。近所の公園では今日もランニング姿のガキンチョがセミを追いかけています。都会のセミって、鳴き声がなんだかネバッこいですよね。見てないなぁ、カブトムシ。
スポーツ界も話題が豊富。オールスターを終えたプロ野球は佳境へとその速度を増し、甲子園では坊主どもが必死に涙混じりの土をかき集めています。16日にはオシムジャパンの初戦もありますし、7日には反町監督率いるU-21の試合もある。毎日「すぽると!」を見るのが楽しみであります。
本コラムがアップする頃には結果が出ているかもしれませんが、なかでも注目を集めているのは2日に控えた亀田興毅の世界戦。コレで勝てば「実力不足」という疑問が吹き飛ぶワケですが、それ以上に彼が愛されている理由は、そのキャラクターにあると思います。持ち前のビッグマウス、官僚レベルにベタなパフォーマンス、すべてがテレビ的に『絵』になりますし、何よりもインパクトがデカい。T-BOLANやハウンド・ドッグなどその選曲センスがどう考えても17歳とは思えない次男・大毅、兄2人に比べて若干存在感は薄いものの素質は一番という三男・和毅、そしてあの厳しいのか過保護なのか分からないパパ。このファンキー3兄弟+1オヤジという構図、もうカンペキとしか言い様がありません。かなり好き嫌いが分かれるとは思いますが、僕は好きですね。ちなみに、次男・大毅が試合後に熱唱するのは果たして『僕・sing』という壮大なネタなのか、ココも非常に気になるところではあります。あ、補足ですが、関西のジャニオタの中で『三兄弟』といえば関ジャニ∞の横山&渋谷&安田を先に思い浮かべるそうです。
何より、スター不在といわれるボクシング界においては救世主。井岡・竹原・薬師寺・畑山といった名選手を凌駕する人気は、スポーツ界全体としてもイイ発奮材料になっているのではないでしょうか。
そんなこんなで、今回は男子必見のボクシング漫画をご紹介。しゃー。


「はじめの一歩」 作・森川ジョージ 〜76巻続刊中 講談社
少年マガジンの看板作品であり、現代ボクシング漫画の金字塔。いじめられっ子だった釣船屋の息子・幕ノ内一歩が天才ボクサー・鷹村との出会いをきっかけにボクシングをはじめ、その才能を開花させていくスポ根サクセスストーリーです。こう書くといかにもありきたりですが、この作品が17年もの間愛されている理由は、鷹村をはじめ千堂や宮田・青木・木村・間柴といった個性的なキャラクターの豊富さと個々の周辺を緻密に描いたドラマ性にあり。主人公以外のキャラの試合にもページをたっぷりと割き、ストーリーに厚みを持たせています。それゆえ進行の遅さは気になるところですが、そこはスポーツ漫画の宿命。巻を重ねるごとに画力も増し、唯一無二の存在感を放っております。随所に挟まれる小ネタも秀逸。アニメやゲームでも人気を博しているようですね。

「青の戦士」 作・狩撫麻礼 絵・谷口ジロー 全1巻 双葉社
経歴不明の日本人ボクサー・礼桂(れげ)。試合にはアルコールを含んでから望み、勝っても負けても結果はKO。その実力に目をつけたプロモーターが、彼をチャンピォンにしようと試みる……。ギャグ要素はゼロ、初期谷口ジローのシリアスな絵が、そのストーリーを一層ビターに色付けしたヒューマンドラマでございます。原作者の狩撫麻礼(かりぶまれい)はかなりのブラックミュージックフリーク。なかでも彼のペンネームが物語るように、ボブ・マーレィに影響を受けたそうです。本作品の主人公の名前も、もちろん「レゲエ」から。随所にボブ・マーレィの思想が取り込まれているのもポイントです。土屋ガロン名義で発表した「オールドボーイ」のヒットも記憶に新しいですね。

「のぞみウィッチィズ」 作・野部利雄 全48巻 集英社ヤングジャンプ
ちょっぴりスケベな高校生・司馬遼太郎(!)が住む家の隣に、ある日引っ越してきた美少女・望。二人は演劇部へと入部し、珍しい演劇ラブコメ漫画として定着……なんてするハズもなく、突如ボクシング漫画に転進したという問題作。しかも48巻まで続いてしまったという超・問題作でございます。ボクシング色が濃くなるにつれ、タイトルにも出ている望ちゃんの存在感がどんどん希薄に。たまに出てきたかと思えばストーリーとは関係のないエロシーン。なんのサディズムかと思うくらいの出来栄えでございます。とはいえ転進後のストーリーはそれなりに読み応えがあり、まあ合格点と言えるかもしれません。ブックオフでは100円コーナーの常連ですが。ちなみに、例に漏れず映画化されております。遼太郎の両親を務めた宍戸錠&由紀さおりがイイ感じ。もちろん、駄作です。

ストイックなトレーニングを乗り越えて、リングの上で繰り広げられる1対1の戦い、どこかDNAに響く光景ですよね。月並みではございますが、勝者と敗者のコントラストも涙腺に響く光景です。ともあれ亀田三兄弟、三人が世界チャンピォンになるまで頑張れ〜!
▲ Back to column index / コラムインデックスへ戻る