タナカリョウの穴あきブック

第22回「食べる門にも福来たる」

新年 明けましておめでとうございます。
本年も皆様 何卒宜しくお願い申し上げマス。
さて。忘年会&新年会ラッシュで体脂肪2%アップのタナカでございますが、いやあ、食った食ったウマイもん。若狭湾の牡蠣に津居山の蟹。松阪牛のしゃぶしゃぶに函館のイクラ! やはり食生活が豊かだと、人間は心が大きくなりますね。滅多に食べられるものではないので、ここぞとばかりに食いだめをしました。

世の中にはウマイものがホントにたくさんありますね。素材そのものがウマイものもありますし、凄腕シェフのテクニックによって旨みが爆発する料理もある。そういったものにめぐり合えた時はホントに幸せな気分になります。料理の世界はホントに奥深いですね。ハンター瀧尻が獲ってきた鴨もウマかった! 次はボタン鍋やキジ鍋希望です。よろしく。

今回の穴あきブックは、「料理」をテーマにした作品をご紹介。垂涎必至のボリュームです。ワッショイ!(HGの新ギャグです)


「美味しんぼ」作・雁屋哲 画・花咲アキラ 〜93巻続刊中 小学館

言わずと知れたグルメマンガの金字塔。東西新聞社の記者・山岡士郎と、日本を代表する陶芸家であり美食家としても高名な実父・海原雄山。両者の確執は「究極のメニュー」VS「至高のメニュー」の図式へとシフト。日本のみならず世界を股にかけ、毎回テーマを設けて素材や調理法を競う。それぞれにコト細かく添えられるウンチクが大変おもしろく、料理好きならずとも新たな発見があるハズです。「魯山人」なんかはかなりの頻度で登場するキーワードですね。ちなみにこれからの季節、ヘタが付いたままのイチゴが乗ったケーキ店には要注意ですよ。また、「日本全県シリーズ」は47都道府県の食文化に触れる内容。大阪府版では、「会津屋」のたこ焼きや鶴橋のコリアンタウン、秋鹿酒造の日本酒など、馴染み深いものがたくさん紹介されており、とても興味深く読めます。

しかし、ときおり不自然なまでに歴史描写にこだわるのは見逃せません。基本、作者は「料理を通じて日本の誇りを取り戻せ! 欧米の食材には気をつけろ!」的なスタイルなんですが、「アジアへの侵略と謝罪」にも文脈をハズしてまで触れるなど、司馬史観的な表現が随所に見て取れますな。

ともあれ、グータラ極まりなかった山岡士郎も栗田さんと結婚し双子を授かるなど、キャラクターの成長もしっかりと描かれており、ドラマとしても完成度は高いといえるでしょう。そういえば佐藤浩一と三國連太郎親子が演じた映画版もありました。ドラマ性と情報量、この二つをバランスよく兼ね備えた作品です。関連本もたくさん出版されていますので、こちらもあわせてどうぞ。

現在は93巻! 全県めぐりもまだまだ残っていますので、恐らく作者の死まで終わらないでしょう。「蒼天航路」のように、片割れが亡くなっても続く予感。まだまだ期待できますね。


「OH!MYコンブ」画・かみやたかひろ 監修・秋元康 全12巻 講談社

「コミックボンボン」にて一世を風靡した(?)名作。主人公のコンブ君が、数々の苦難を乗り越えて創り上げた「リトルグルメ」なる創作メニューで料理対決に挑む……といえば聞こえはいいものの、その内容といえば「オロナミンC+生卵=Cセーキ」「チョコフレーク目玉焼き」といったブットビ系グルメばかり。「プリンと醤油でウニの味」もこの作品が発祥だと思います。ある意味で革新的すぎた本作、そのメニューを実践するブロガーも数多く存在するようですね。っていうか、秋元康。全盛期とはいえ、遊びすぎだろ。アニメにまでしやがって。この流れがおちまさとへと続いていくのです。アーメン。単行本は意外に希少で、ヤフオクでもあまり出回りません。古本屋で見かけたらぜひ一読を。


「島耕作の優雅な一日」作・弘兼憲史 全1巻 講談社 

もはや日本一有名なサラリーマン・シマコーと、作者の弘兼憲史。この2人のオッサンが映画を一緒に観にいった後にレストランで食事というデートを重ねる、若干気持ち悪い設定の本作。作者はシマコーブランドで「処世術」本を多々執筆しておりますが、コレはその箸休め的な存在でしょう。もともと作者は食に造詣が深く、世界のワイン本なども執筆しているほど。映画と食、作者のライフワークがやや嫌味を交えて描かれていますが、その緻密なウンチクには圧巻。よく取材されているなと感じます。店単位の紹介ばかりですが、単純に料理本としても楽しめるでしょう。タイアップか?とも思いますが。

身近な題材を用いたマンガは、知識を得るという意味でも役立ちますね。作る楽しみと食べる楽しみ、この2つを兼ね備えた「料理」って、ホント素敵。キム兄にいろんな女性が憧れるのも分かる気がしますね。僕は食べる専門ですが、これから先、どんなウマイもんにめぐり合えるかを考えると楽しくて仕方がありません。まだまだ寒いこの季節、皆様よろしければ、ぜひ鍋を一緒に囲みましょうね。


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