タナカリョウの穴あきブック

第17回「トラウマ」

月! オオゥガースッ! アウグスティーヌスゥー!
日々恐ろしいまでの暑さゆえ、ムダにハイテンションな導入を致しました今回の「穴あきブック」。「ゆっくり寝ったいや」という素晴らしい広告コピーがあったことを毎夜思い出さずにはいられない今日この頃です。「早くなおさないと」なーんて思いながら、マイベッドには未だ毛布が出しっぱなし。だってキモチイイんだもん。そういえば「なおす」って方言なんですってね。「なおす」a.k.a.「片付ける」ですよ皆さん。関西では言うよね? もともとは九州の方言という話ですが、我が家にはそんなルーツは皆無。言葉って本当に面白いなぁと思いながら、今日も靖国神社に向かって最敬礼をする次第でごわす。

さてさて、今月の15日を持ちまして、終戦60周年を迎えますね。また揉めるんでしょうね、首相の靖国参拝。どちら寄りにしろ、明確な意思表示をしてほしいものです。「中韓がウルサイから、国益上、ちょっと今回は勘弁してよっ」もしくは「ソレとコレとは話が別。文化・宗教観の問題にまで口出しするのも「侵略」じゃぁゴルァ!」って言っちゃえばイイのにね。

毎年この時期になると、数々の戦争ドラマが放送され、いろいろと考えるコトが増える時期でもあります。戦争そのものの是非はひとまず置いておいて、我々ジャパニーズにとって最大のトラウマは、大東亜戦争時に喰らった2個の原子爆弾でしょう。劣化ウラン弾を除いて言えば、世界で唯一の被爆国、ジャパーン。この歴史を知らない子が、ホンマに増えているらしいですね。

僕が小学生の頃、修学旅行で広島を訪れました。原爆ドームを背に記念写真を撮影したのを覚えております。母方の祖父母が島根県に在住しておりますので、それ以前にも訪れた事はあったんでしょうけれど、鮮明に覚えているのは修学旅行の時ですね。佐々木禎子さんの「原爆の子の像」に千羽鶴を捧げるたり、平和祈念資料館で吐き気を催したり、女の子のナマ乳を初めて目撃したりと、なかなかメモリアルな旅行でした。「戦争ってイヤだなぁ。自衛隊なんていらないなぁ」と、見事にマインドコントロールされていましたね。今でも基本は変わりませんが、「アメリカ、ムカツク」っていう感情が高校時代以降、しっかりと芽生えました。中韓が反日をナショナリズム化して世論を調査し、巧みに外交手段として駆使しているのに、ああ日本。そこまでGHQの戦略は的を得ていたのか???などと思わざるを得ませんね。そんな●※★×■な☆△τ※なんて□◆◎Ω×?して★∠※×♪◇ξ!! すいません、取り乱しました。

問題は、ヒロシマ&ナガサキが、「なかったことに」なってきていませんか、ということです。

少々カタイ感じできました今回のオススメは、今の小中学生に読んでほしい名作。「はだしのゲン」ほどエグくはないですが、読後ダメージは匹敵。ゲンはねぇー、段々、星飛雄馬に見えてくるしねぇー。


「夕凪の街 桜の国」 作・こうの史代 双葉社

「夕凪の街」「桜の国1」「桜の国2」の3話が時系列により構成される本作。「夕凪の街」は、原爆投下から10年後のヒロシマが舞台。父と姉・妹を「原爆」で亡くした皆実は、質素ながらも「平和」な日々を過ごすが、どこか違和感を持っていた。それは、間違いなく「あの日」のこと。「『誰かに死ねばいい』と思われた」事実。道にあふれる死体に慣れてしまった自分。心を侵食する、どうしようもない痛み。そして皆実のカラダにも、ついに異変が訪れてしまう……。




こう書くと、「よくある反戦話かいな」と思われがちですが、この作品はちとレベルが違う。絵本のような柔らかい筆感。広島弁での何気ない日常会話。「戦争」をむやみやたらに感じさせないストーリー展開が、逆にリアリティを増幅させています。続く「桜の国」は、皆実の姪(弟の娘)・七波が主人公。家族のドラマを通して「ヒロシマ」に近づき、「なんとなく」気付く。卓越した人間描写が光ります。

本作は「第9回手塚治虫文化賞」においても「新生賞」を受賞。朝日新聞が主催というところで「いやーん」ですが、受賞して然るべきのクオリティ。ちなみに大賞は「PLUTO」です。納得。


僕らが修学旅行で「聞き取り」を行った被爆者の方々、彼らのほとんどはお亡くなりになっています。生の声は絶えてしまっても、口伝されていかなければならないヒロシマとナガサキ。彼らの慰霊碑を、そこから別の場所に移すというのは考えられますか?首相。靖国もきっと同じ事でっせ。「カタチ」に捉われるあまり、本質が忘れられてきている。某宗教団体のように、世界平和なんて大袈裟なことは謳わなくてイイ! アメリカによって「ヒロシマ」「ナガサキ」に原子爆弾を落とされ、それによって民間人が約35万人も「殺されて」いる、という事実を覚えておくこと。そして、いつの日か自分の子どもに伝えること。コレこそが、被爆により亡くなった民間の方々に対する、一番の供養なのではないかと思うわけです。兵隊さんの話はちょっと別。コレには長い時間がかかりそうです。

しかし、今の日本ってホント「平和」ですねー。サンスポを読むたびにそう思います。でも、原爆投下で日本が負けたから今の日本がある、ってのは違うと思うんですね。答えが出ない話ですので、この辺で。とりあえず6日は、心からの黙祷を捧げたいと、本気で思っています。


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