タナカリョウの穴あきブック

第12回「つづく。」

早いものでもう3月。そろそろ桜のつぼみもラストスパートをかける時期。年度末。バタバタとする時期ではありますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。3月といえば別れの季節。なかでも最たるものは「卒業」でしょう。お世話になった学校に別れを告げ、各々が次の道へと進み始める、そんなドーラマティックな時期です。憧れていた先輩の第2ボタンを狙ってキャピキャピ、憧れの後輩に第2ボタンをもらってもらおうとモジモジ。心当たりがある人もいることでしょう。「卒業式」を英語で言うと「Commencement Exercises」。これは「始まり」という意味なんですね。ザッツオール。

何事も終わりがあり、続きがある。終わりは次の始まりと同地点。実社会において、コレは必ず当てはまります。この「お約束」にのっとった映画や小説も多々存在しますね。1がヒットしたから2を出す。コレは良くも悪くもメディアの特徴です。「スターウォーズ」のようにもともと形があるものは別として、大概の続編はオリジナルより評価が低い。これも特徴です。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は別格ですが。あと、「シベリア超特急」略して「シベ超」もある意味別格ですね。

この5年間で、特に多くなってきているのが「リバイバル」という動き。音楽業界では「カバー」が各段に増えました。過去にヒットを飛ばしたと言う実績がある分、作り手としてはリスナーに受容されやすいと判断しての事だと思いますが、単なる「危険回避の手法」に過ぎないと思うような曲も多い。モータウンのアーティストが、同じレーベルアーティストの曲を歌うのとは次元が違います。要は、薄いんですな。ビリケンなんか、聴いてられませんね。新しい才能の枯渇というわけではないだろうに、レコード業界は少々守りに入りすぎている。確かに好きですよ、カバー曲。レコードを買うときでも、ある程度の「保証書」になりますから。でも、そればっかりじゃ、イカン。イカンぞ!!!!

話が少々それましたが、このリバイバル現象、マンガ界も例外じゃありませんでした。熱狂的ファンの比率(見る人÷ファンになる人)が映画よりも高くなるため、全体として反響が小さく見えても、マーケットとしてある程度成り立ってしまうのですね。リバイバルブームに火をつけたのは、「週間プレイボーイ」で1998年からスタートした「キン肉マン2世」でしょう。さらに、2001年に発刊した「コミックバンチ」では「北斗の拳」「シティハンター」「山下たろ〜君」の続編が発表されました。ほかにも「リングにかけろ」「魁!男塾」「俺の空」「流れ星銀牙」など、枚挙に暇がありません。続編とは言えませんが「ときめきトゥナイト」シリーズの「ときめきミッドナイト」というのもあるようですね。

「聖闘士星矢」も新たに始まりましたし、ジャンプ黄金期の作品は残すところ「ドラゴンボール」だけですね。これは連載中からかなり苦しかったので、恐らくはないでしょう。そういえば「スラムダンク」も「第一部・完」で終わっていますが、こっちは見たいなぁ。「リアル」「バガボンド」が終わるまでは無さそうだなぁ。

やはり、オリジナルが好きな人は、続編も見てしまいますよね。登場人物が小出しで出てきたりとか、ファンにはたまらん要素が多すぎます。コレが、続編やリバイバル作品が受け入れられる理由だと思います。で、これらのような「続編もの」の中でも、イチオシの作品がコチラ。他の続編モノはお気楽に流し読みが出来るのですが、この作品は次が気になって気になって…。というわけで、プチ紹介。どーーーーーん

「イブの眠り」 吉田秋生・著 1〜3巻 続刊中 フラワーコミックス

「BANANA FISH」でお馴染み、吉田秋生氏の最新作。「BANANA〜」の後に発表された「YASHA」には、「BANANA〜」の登場人物であるシン・スウ・リンが登場し、読者の度肝を抜いたわけですが、本作もその直線上。遺伝子操作により生まれた天才児、有末静と雨宮凛。人類をはるかに凌駕したその能力とDNAをめぐって、様々な陰謀が交錯。同じDNAを共有しながら、180度異なる環境で育った2人の「超人類」。物語はあまりにも非常なラストを迎える……。というのが「YASHA」の大まかなストーリーなんですが、本作の主人公は有末静の娘であるアリサ。静のDNAを受け継ぐ彼女に、静のクローン・通称「死鬼」の魔の手が忍び寄る…。今のところ「YASHA」と内容がほぼ一緒ではありますが、そんな事は全くお構いなし。クローン技術、生物兵器、様々な理系用語がポンポン出てきますが、これも全く持って問題なしです。「YASHA」に登場した主要人物が次々と登場する様は、実に爽快のひと事。これぞ続編モノ最大の長所です。加えて、前作同様の深いテーマにリアルな人間描写。「YASHA」が全12巻、「BANANA〜」が全19巻。併せて一気に読むことをオススメします。

んん。「焼き直し」がはびこる世の中ではありますが、素晴らしい作品は、続編を作るべき意義も確かにありますね。無論、その際にはさらなる尽力がマストです。それに応える「ミナミの帝王」って、やっぱりスゴイなぁ。惰性で作ってないんでしょうね。しっかりと世の実情を投影させながら、キャラの輝きも保っている。「男はつらいよ」なんかも、日本が世界に誇る偉大な作品です。

クラブイベントもそうですが、やはり続けていく事って、並大抵の意気込みでは難しい!と最近よく思います。変えていくもの、残していくもの。その見極めのセンス、鍛えていきたいものです。


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