タナカリョウの穴あきブック

第4回「SAY 法〜!」
参議院選挙が近づいてきました。候補者の名を連呼する街宣車に半笑いで手を振りつつ、公明党候補者への投票を懇願してくる「元同級生」とやらに「てめえっ、オレの基本的人権を踏みにじる気かっ!」と罵声を浴びせながらも、いつも以上に高揚しているテンションに驚きを隠せない今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。今回の選挙、注目は何といっても鈴木宗男&辻元清美の「疑惑の総合商社組」ですが、まあ、おそらくどちらも当選するでしょうな。ダーティーさも、政治家には必要です。

根本的な話。選挙というのは民主主義下でもっとも大事なイベントです。各国民が自分の意見を反映してくれるであろう政治家、自分の望む社会を実現してくれそうな政党を、自分の意思で決定して示すことができる唯一の時期が選挙シーズン。もっとお祭り騒ぎしてもいいハズ! マニフェスト、皆さん、ちゃんと読みましょうね!!

今回ご紹介するのは、昨今の政治への無関心&冷ややかな風潮に対して、一石を投じたこの作品。10年前の作品ですが、今こそ読みたい名作です。レッツラドン。

「国民クイズ」 杉元伶一・作 加藤伸吉・画 全4巻 講談社モーニングKC

日本国憲法 12章 国民クイズ
第104条 国民クイズは国権の最高機関であり、その決定は国権の最高意志、最高法規として、行政、立法、司法、その他あらゆるものに絶対、無制限に優先する。本憲法もその例外ではない。

全世界の核兵器の8割を保有。他国を圧倒する軍事力・経済力を備える超大国・日本。その発展の源となったのが、議会制民主主義に替わり採用された「国民クイズ」制。クイズの勝者には、どんな欲望でも実現できる権利がひとつ与えられる。ある者は夫の不倫相手を殺害、ある者はエッフェル塔を私物化…。敗者には、自らの欲望に対する報いとして、厳重な罰が与えられる。その模様はテレビで毎日オンエアされ、全国民は欲望とリスクの狭間で迷いながら、また自らがそのステージに立つことを夢見ている。


その番組の司会者であり、圧倒的なカリスマを誇る男、K井K一。彼自身もかつて、国民クイズで敗れた男。次々と新たな仕掛けを用意するテレビ局と政府。国家転覆を目論み、彼を利用しようとする反体制派。様々な欲望が交差する社会、事態はK井がとった行動で思いもよらない展開に!!!


ってな感じのダイジェストはひとまずおいといて、特筆すべきは、細部に至るまで練りに練られた設定の細かさ。登場するキャラがもつ欲望などなど、あらゆるところにブラックジョークを織り交ぜたセンスに脱帽です。収録間に挟まれる、政府広報CMとかも最高! さらにはカトシンの絵。「バカとゴッホ」に比べてやや粗いけれど、それが逆に作品のパワーを倍増しています。結構好きだなあ、この人。




とっつきにくい政治だからこそ、ユーモアが必要なのでは!? 小泉のジョークは笑えない。やっぱムネオハウスのイベントに自ら参加したムネオ氏のように、あまりにも寛大な政治家の出現を心待ちにしながら、来るべき選挙に向けて準備したいと思います。


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